気胸手術体験記
さて、一日家にいて落ち着いてきたので、入院中の話を書きます。といっても大した手術でもなければ大したイベントもないのですが、書いてるうちに長くなってしまった……暇な方および読書速度が光速の方だけおつきあいください;
1日目 玉川病院入院。今回の目的は、3回発症した(=2回再発した)右肺の自然気胸に対し、ブラーを胸腔鏡手術で取り除くことです。1日目ということでウキウキ……してるはずもなく、持ってきた本を読みながらぼんやりと過ごしました。CTスキャンなどの検査もある程度事前に済んでいたので、何人かの医師・看護師からあれこれ説明を受けるくらいで、他にホントにほとんどすることなく過ごしました。間食も自由ですが、なんとなく病院に来たら健康にならなくちゃいけない気がして、この日は食事以外何も口にしませんでした。文にしてみるとむしろ不健康だなそれ。
どうでもいいけど部屋番号が 333 で、3が好きな僕としてはこう、これは勝ったな、とか一人で思っていました。
2日目 意外と病院食おいしいね、とか思いつつまたぼんやりと過ごします。そろそろ退屈になってきています。この日は手術の準備としてわきの毛を剃りました。虫垂炎のときに剃ったのよりずっとマシです。シャワーはその日の朝に時間を予約しておいてから浴びるのですが、30分というのはなかなかシビアです。夜9時から食べるの禁止令が発動。といってもそもそも食べるものを持っていませんでした。
3日目 手術当日。朝6時から飲むの禁止令が発動。T字帯というふんどしのようなもの(とても心許ない)+手術服+手首にネームバンド、というだけの格好になっていざ出陣。といっても麻酔を打たれるときまでしか覚えていないのだけれど。朝9時15分に手術室入りしたのですが、なんかあまり深く考えていなかったのでさっぱり緊張はしていませんでした。
全身麻酔は初めてだったのですが、感動しました。段々眠くなる感じなのかと思ったら、そうじゃないんですねえ。なんかこう頭の奥の方からぐわああっとなくなっていくような感覚でした。意識がなくなる寸前まで視界は良好だった気がします。といっても、点滴から麻酔を注入されて、その後そんなことを感じ始めてからブラックアウトするまでにせいぜい7〜8秒くらいしかないのですが。
ここで手術の概要説明。手術は右腋に親指の爪くらいのサイズの穴を3つ開けて、うち2つから内視鏡を入れ、もう1つを作業穴として処置を行います。肺のてっぺんの方にできたブラーというものを切除して、そこに特殊な素材のメッシュシートを貼り付けて補強します。穴のうち2つは閉じて、もう1つはドレーンの管を挿入します。しばらくは切除した部分が弱く気胸になったときみたいになるので、陰圧をかけて肺をふくらませる必要があります。そのための装置がドレーンで、管の反対側にはキャリーバッグみたいな台車に乗った装置がつながっています。
気づくと病室の窓際のベッドに寝ていました。起きたタイミングもよく覚えていませんが、意識が戻った頃には割と頭がハッキリしていました。事前に説明を受けていた「回復室」という場所だということはすぐわかりました。なんか、すごくHPが回復しそうな名前です。ほとんど普通の病室と雰囲気変わりませんでしたが、少し広々としているようでした。
麻酔が切れてくると痛いのかなあと思ってましたが、僕の場合それよりも気持ち悪い方が強かったのがしんどかったです。母親もそうらしいんですが、消化器系の立ち直りが遅いのかなあという感じ。吐き気にも襲われました。抗生物質の投与をやめてむかつき止めの薬を点滴に加えてもらったら、段々治りました。同時におなかがぎゅるぎゅるいいだしたので、麻酔がとけて治ったのか薬で治ったのかは不明。
その夜は、姿勢を動かせないこととの戦いでした。脚はもう動かせるようになったのですが、なにせ右腋にドレーンがつながっているので、寝返りを打てないのです。今後しばらくはこれと戦うことになります。母親と祖母が帰るときに、iPodを聴いてもよいと看護師さんから許可が下りたので、夜は眠るまでiPodでサウンドトラックやらアニソンやらを聴いていました。ちなみに小説を持ち込む人もいるそうです。
4日目 翌朝から食事再開。朝はまだお粥でしたが、1日ぶりの食事はとてもおいしかったです。10時前にはもとの病室に歩いて戻り、お昼ご飯からは元通りです。この日はまだ37.5度前後の熱が続いていました。ちなみに僕の平熱は36.5度です。もう歩き回ることもできますが、上に書いたドレーンがつながっていて、こいつの充電が30分くらいしか持たないので、あまりベッドを離れているわけにもいきません。まあ熱で頭が重い感じもあって、基本的にはベッドのうえでくてっとしてました。
5日目 前日と基本変わらず。祝日だったので回診もお休みです。朝起きたら、夜中トイレに行って戻ったときに機械のコンセントを入れ忘れていたことに気づき驚愕。慌てて看護師さんを呼んで再起動してもらいました。大丈夫なのか……5時間近く止まってた計算に……。ちなみに毎日誰かしらお見舞いに来てくれたので、さびしい思いはせずに済みました。とか言いつつ夜とかやっぱりさびしいんだけどね。この日はシャワーを浴びました。防水テープに貼り替えてもらうと、ドレーン中でもシャワーを浴びることができます。ですが機械を風呂場の外に出して、自分は中、という状態はかなりやりづらかったです。
6日目 レントゲンを撮り、肺がしぼんでいないのを確認して、機械を外しました。わきに入っている管はそのままで、猛反対側を切り落としてハサミでクランプします。機械をころころ引きずらなくていいというだけでとても身軽になりました。電源入れ忘れ騒動もそこまで問題にはならなかったようです。まあ、回復すれば陰圧はいらないはずですからね、と後から言い訳。
7日目 日曜日なので処置はせずに経過を様子見。問題なさそうです。本も大体読み終わってきて、やることがなくなって退屈がしんどくなってきました。あまりにやることがないので、英語の勉強が捗ってしまいました。
8日目 またレントゲンを撮り、肺がしぼんでいないのを確認して、今度は管を抜きました。これは病室で医師がパパッとやってしまいます。ずるっと引き出すときは変な感じでした。傷口をホチキス止めしますが、痛いだろうなあと思っていたら、そうでもありませんでした。ちくっと痛いけど。普段わき下がちくっと痛むことなんてないので、あれ、なにこの新感覚、とか思ってるうちに終わりました。日常生活レベルの痛いっていうのは記憶の再生が大きいのかなあ、なんてことを思ったりしましたが、勝手な推測です。
9日目 最後のレントゲンを撮って、退院です。11時過ぎに病院を出ました。
というわけで手術は無事成功して、無事に帰ってこられて、本当によかったです。この後は4/1にホチキスと糸を取ってもらう予定です。しばらくは重い荷物が持てないそうで、なかなか不便ですが、まあ仕方ない。まだまだ「病み上がり」です。
どうでもいいですがこの間に「スパイラル・アライヴ全5巻」「まりあ†ほりっく第4巻」「夏への扉」「ダーリンは外国人」「図書館戦争」「レボリューションNo.3」などを読みました。一部は自分の、一部はお見舞いに来てくれた人の差し入れです。感謝感謝です。
